COVID-19の影響もあり、DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させることが急務となっている営利企業において、自社で抱えるIT人財は、質・量ともに著しく不足しています。しかし、日本のIT人財の実に75%近くがIT企業に所属しているという、他の先進国と比較しても非常に偏った環境にあり、IT企業に頼らざるを得ない状況にあります。ましてや、限られた予算運営を迫られる非営利領域や社会起業家の活動においては、IT企業に頼ることも出来ず、専任のIT人財を抱えている組織など殆どありません。
一方で、IT業界においては、ワークライフバランスに配慮する企業の増加とリモートワークの普及にともない、一昔前と比較して従業員の自由な時間が格段に増えています。SDGsに対する関心の高まりもあり、社会貢献意識の高い若者や、セカンドキャリアを意識したシニアのボランティア参加も活発になっています。
このような社会状況の中、私たちはIT企業で活躍する現役のITスペシャリストに対して、プロボノ(専門スキルを発揮して支援を行うボランティア)として活躍する場を提供し、彼らと共に非営利組織や社会起業家のデジタル化を無償で支援する中間支援組織として活動しています。
また、プロボノITスペシャリストに対しては、社会課題解決意識の高い方々との交流を通して新たな視座を得る機会としたり、デザイン思考などのワークショップを通して、ビジネス開発スキルを高めたりする場として活用してもらっています。
私たちは、非営利組織のデジタル化をサポートすることはもちろん、プロボノの方々に多様な社会貢献のあり方を知ってもらう中で、社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)という生き方を提示し、共に「優しい社会をデザインする」仲間を育成することで、より大きな社会的インパクトを生み出していきたいと考えています。