プロボノとは、各専門領域のプロフェッショナルが、その専門性を生かして社会貢献を実施すること、または、その人を指します。一般的にボランティアとは善意があれば誰でも参加できる活動が多いですが、プロボノは通常であれば費用が発生する専門的な活動を前提としており、その役務を無償で提供するところに特徴があります。
最近ではプロボノという言葉の認知度は高まっていると言われていますが、社会貢献活動にそれほど関心がない人たちの間では、全く知られていないと言っても過言ではありません。実際に、ESG経営を標榜しているような大手企業におけるセミナーや意見交換会でプロボノについて尋ねると、自信を持って理解していると挙手できる人は5%にも満たない状況です。これは、日本人がシャイであることを差し引いても、まだまだ、一般的に通じる言葉とは言えない気がします。
プロボノとういう言葉は、元はアメリカやイギリスで弁護士が無償で行う活動を指していたようですが、現在では、公認会計士、クリエイティブ系、IT技術者やプロジェクトマネージャといったさまざまな専門職の方々の支援活動もプロボノとして認識されています。
私たちはプロボノの中でも、ITプロボノに特化した活動を行っています。IT担当者を専任で抱えている非営利組織は非常に少なく、営利企業と比較してデジタル化が遅れていることが一般的です。また、ファンドレイジングのデジタル化はもとより、活動を知ってもらうためのホームページを製作することですら、非営利組織にとっての費用負担は少なくありません。
一方で、IT業界においては、イノベーションや新規ビジネスを創出することができる人材の育成が急務となるなか、効果的な育成施策を見いだせない企業が多いのが実情です。
このような状況を踏まえ、私たちはITスペシャリストにITスキルを発揮した社会貢献を行って頂くと共に、サービスデザインや分散アジャイル開発、グローバルコミュニケーションといった、これからの時代の共創活動に必要なスキルを習得するための機会を提供しています。そして、プロボノと非営利組織、並びにプロボノが所属する営利企業との共創関係を作り出すことで、優しい社会の実現を目指しています。